2017年3月ブログ

2017年

3月

31日

糖尿病は認知症のリスクを高める

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。けっして侮ってはいけないのが糖尿病です。中高年以降、脳に悪影響を及ぼして委縮させ、認知症を引き起こすケースが少なくありません。40~50歳代の場合、糖尿病を放置すると、将来的に認知症にかかるリスクは2倍になるとさえ言われているのです。糖尿病は、単に尿に糖が増えるだけの病気ではありません。血糖値の高い状態が続くと、ブドウ糖そのものが全身の血管の内皮細胞を傷つけます。それが例えば眼底の血管で起きると、糖尿病性網膜症になって視力が落ち、失明することもあります。また手足の末端で起きると、いわゆる壊疽になって血が行かなくなり、最終的には切断せざるを得なくなります。それが脳で起きると「アミロイドβタンパク」が分解されずに蓄積され、さまざまな脳血管障害や認知症のリスクを高めるのです。あるいは動脈硬化や高血圧も同様に、放置すれば認知症のリスクを高めます。それも認知症の50%を占める「アルツハイマー型(じわじわと進行)」ではなく、「脳血管性」と呼ばれるタイプで、いきなり重度に進行する場合もあります。だから糖尿病や動脈硬化、高血圧の症状が現れたら、できるだけ早期に治療を始めるに越したことはありません。とはいえ高齢になれば、多かれ少なかれ兆候は見られるものです。慌てることなく、薬に頼り切るのでもなく、運動や食事など生活習慣を見直すことで改善は可能です。少なくとも悪化しないようにすることで、認知症のリスクは下げられるでしょう。

0 コメント

2017年

3月

30日

「うつ」は誰でもなる可能性がある

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。一般に「うつ」と言うと、恐ろしい病気というイメージがあるようです。たしかに休職せざるを得なくなったり、場合によっては自ら命を絶とうとしたりすることもあります。しかしそれは、病状がかなり進行した状態です。実は、うつはもっと身近な病気です。有病率はおよそ3%、つまり100人のうち3人はかかるわけです。さながら風邪のようなもので、かかったとしても過度に恐れる必要はありません。「誰だってかかるものだ」「仕方がない」と開き直っていればいいのです。それに、けっして不治の病ではありません。認知症などより、ずっと治りやすいのです。いい薬もあるし、できるだけ規則正しい生活をして、十分な睡眠をとり、運動の習慣をつければ、改善に向かうことも多いのです。著名人や芸能人でも、うつから立ち直って活躍されている方はたくさんいるでしょう。むしろ問題なのは、「うつになったら人生が終わる」「周囲にうつだと悟られてはいけない」などと思い込み、自分自身にプレッシャーをかけてしまうことです。これでは、かえって治りにくくなるだけです。それほど深刻に捉える必要はない、とぜひ知っておいていただきたいと思います。なお、うつを予防するうえでとりわけ重要なのが、できるだけ太陽の光を浴びることです。冬の日本海側や北欧で自殺率が高いのは、日照時間の短さが原因とされています。自然現象はどうしようもありませんが、日照時間が短いなら、せめて室内の照明を明るくしたほうがいいとも言われています。

0 コメント

2017年

3月

28日

幸せな人は長生きする

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。修道院で暮らす人々、つまり社会的ステータスも環境も同じような複数の人々に、20歳の時点で「今、あなたは幸せですか?」と尋ねて、その後、数十年にわたって追いかけた研究があります。その結果、「幸せだ」と答えた人々のほうが、明らかにより長寿になる傾向が見られました。同じ環境にいる以上、「幸せ」と感じるか「不幸」と感じるかは、基本的に本人の主観の問題です。しかしそれこそが、寿命に大きな影響を及ぼしていたわけです。つまり「主観的幸福度」というものが健康度を引き上げ、結果的に平均寿命を上げるというのが、この研究の結論です。医学的に言うと「主観的幸福度」とは、ストレスレベルを下げるということです。それによって免疫系が活性化して、例えば動脈硬化などの病気を抑える方向に働くわけです。いかに「主観的幸福度」が大事か、よくわかると思います。世間には「ストレスは多少あったほうがいい」とする意見もあります。それが刺激になって人生が活性化するとか、経験が人を大きくする、といった類の話です。しかし根本的に、ストレスレベルはできるだけ低い方がいいのです。どんな生活をしてもストレスはゼロにならないのでせめて下げるように心がけるべきでしょう。では、「主観的幸福度」はどうやってきまるのでしょうか。少なくともそれは、客観的にどれだけの財産があるとか、どういう社会的地位にいるかという話ではありません。どんな趣味を持ち、どんな人に囲まれているか、どれだけ「楽しい」と感じているか、ということのほうがよほど大事だと思います。その点、概して日本人は、残念ながら「主観的幸福度」は低めかもしれません。さまざまな「幸福度」に関する国際的な調査を見ても、たいてい日本は低位にランキングされるのが定番です。これほどの先進国で、平均所得も高く、治安も良く、平均寿命も長いのに、なぜ幸福度だけが低いというミスマッチが生まれるのでしょうか。その要因の1つは、やはり何でも他者と比較する傾向があるからかもしれません。客観的な評価を気にして、他者に嫉妬したり、コンプレックスを持ったりしてしまう。そういう感覚から100%脱却することは難しいですが、ならばもう1つ、主観的な評価基準も確率して対抗すればいいのではないでしょうか。つまり、自分自身が幸せだと思うことも大事にするわけです。

0 コメント

2017年

3月

27日

「叱る」より「褒める」が大事

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。褒められることは、脳にもいい作用をもたらします。親から多く褒められて育った子供ほど、いくつかの脳の領域の体積が大きいことがわかっています。逆にひどく叱られたり、罵声を浴びせられ続けたりした子供の脳は委縮します。こういう歴然とした差が生じるわけです。要するに、大事に育てられた子供ほど脳の活動が豊かになり、また周囲の人を大事にするようになるのです。大事にされ、励まされ、褒められる心地よさを知っているから、自らもそれを周囲に提供して、良好な関係を築こうとするのです。逆もまた真なり、ということです。私たちがどちらを目指すべきかは、明らかでしょう。それに、誰でも人から褒められるのは嬉しいですが、実は人を褒めることにも大きなメリットがあります。そもそも人を褒めることは、その相手をよく観察しなければできません。それもアラ探しではなく、「どこかいい点はないか」「学ぶべき点はないか」という姿勢が前提になります。相手に対して好感を持たなければ、とてもそんな気になれないでしょう。実際、どんな人でも宝物のような能力を持っています。勉強ができたり、スポーツが得意だったりという表面的なことだけではなく、考え方がユニークとか、美的センスがあるとか、性格が朗らかとか、人それぞれに個性的でおもしろいです。「褒めよう」という意思さえ持っていれば、褒めるべき点はいくつも見つかるはずです。そうすると、そこには豊かなコミュニケーションが生まれます。好奇心も刺激されます。自分が相手を好意的に見ている以上、相手も自分を好意的に見てくれるでしょう。それが、脳に悪いはずがありません。ついでに言えば、ときには自分で自分を褒める瞬間があってもいいでしょう。とかく日本人は、自己肯定感が低いと言われています。謙虚さは大事ですが、必要以上に卑下したり自信を喪失したりしていては、発想や行動が委縮してしまいます。仕事のみならず、趣味や人間関係においても、自身の存在意義を見出すことが重要だと思います。

0 コメント

2017年

3月

25日

オシャレのすすめ

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。オシャレやコミュニケーションにおいて得意なのは、主に女性でしょう。年齢にかかわらず、ファッションや化粧に興味を持っている方が多いと思います。だから治療院に来られる際も、たいていきちんとした身なりをされています。どんなにお年を召されても、「自分をきれいに見せたい」という願望を持っておられるのでしょう。あるいは治療院にかぎらず、それなりに着飾って友人どうしで集まっては、延々とおしゃべりを続けるという方も少なくありません。それを迷惑に感じている男性もいるかもしれませんが、少なくとも脳にとっては、たいへんいいことなのです。逆に心配なのは、男性の方です。街中でも、例えばヨレヨレの格好をした中高年のサラリーマンの方をよく見かけます。社会と関わっているはずなのに、その意識が希薄になっているとすれば、いささかもったいない気がします。あるいは現役時代は相応に気を使っていたのに、定年退職を迎えたとたん、すっかり無頓着になってしまう方もいます。そうすると自宅にいる時間が長くなり、人と会わなくなり、ますます無頓着になるというスパイラルに陥ります。これは女性のケースの裏返しで、良くない兆候と言えるでしょう。だから、たとえ退職等によって社会との関わりが薄くなったとしても、意識して身なりには気を配ったほうがいいと思います。「人に会うから身なりを整える」のではなく、「ちょっとオシャレをしたいから人に会いに行く」というプロセスに変えるわけです。別にセンスが悪くて笑われても、気にする必要はありません。それもまた刺激になるし、何より「自分を良く見せよう」「どうすれば相手に一目置いてもらえるか」と自分なりに考えることが重要なのです。最近は、人とあまり関わりたくないという方も少なくありません。一人で悠々自適に暮らしたいということかもしれませんが、脳にとってはプラスにならないと思います。一人でいろいろやるのはいいとしても、「着の身着のまま」な生活にならないよう、周りに家族でも親戚でも友人でも、誰かがいる環境に身を置くことが大事です。

0 コメント

2017年

3月

24日

人は見かけによるもの

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。「人は見かけによらない」と言いますが、脳との相関で言えば、「見かけどおり」ということがよくあります。例えば、高齢でもパリッとした身なりの方は、概して若々しい印象を与えます。必ずしも高価なものを身につけているわけではありません。しかし服にしても靴にしても、あるいは髪型やヒゲなどにしても、少しずつ行き届いているという印象です。当然、そういう方は受け答えもしっかりしています。おそらくこれは、偶然ではありません。おしゃれに興味があるかどうかという問題ではなく、身なりとは社会性を象徴するものだからです。人に会う以上、相手に不愉快な思いをさせないとか、見すぼらしいと思われたくない、少しでも良く見せたいという感覚を持っているかどうかが重要なのです。もちろん、高齢になってから急に身なりに目覚めたというわけでもないでしょう。きっと若いうちからいろいろな人に接し、その過程で「自分をどう見せるか」という意識を養ってきたのだと思います。これは脳にとって、きわめて重要です。どんな形であれ、社会と関わりを持ち続けることは、認知症予防の大きな力になるからです。身なりに自信を持てれば、それが人に会うモチベーションになります。人と会って話せば、必然的に頭を使います。常に「相手は何を考えている?」「こういう話をすると喜ばれるかな」「これを言ったら怒られるかな」ということを考えながら会話のキャッチボールをするものでしょう。つまりコミュニケーションが増えれば、脳への刺激も増えて、脳の体積の維持につながるわけです。

0 コメント

2017年

3月

23日

睡眠は脳のゴミを洗い流す

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。睡眠が重要であることは、誰もが認識しているでしょう。ただ、夜中までの残業や、深夜のスマホ、テレビ鑑賞などで、寝る時間が削られてしまいがちなのも事実です。脳の状態を良好に保つためには、やはり睡眠は不可欠です。例えば徹夜で何かをしたり、慢性的に睡眠時間が少なかったりという状態は当然ながらよくありません。疲れが取れないし、昼間に眠くなることもあります。しかしそれだけではなく、睡眠は認知症予防にも欠かせないのです。人間の身体にタンパク質が重要な役割を果たしていることは、周知のとおりです。ところが、しばしばアミロイドβタンパクというタンパク質に変容して役割を果たさなくなり、逆に脳に「ゴミ」として溜まることがあります。それが脳の中で炎症を起こし、神経細胞が脱落してしまう状態が認知症です。なぜアミロイドβタンパクが溜まるのかは、まだよくわかっていません。今のところは、遺伝的な要因や、生活習慣や、動脈硬化性の疾患などが影響するとも言われています。しかしいずれにせよ、睡眠を十分にとることで、この「ゴミ」を脳内から洗い流せることがわかっています。例えば糖尿病にかかってアミロイドβタンパクが溜まりやすくなったとしても、しっかり睡眠をとることで、ある程度進行を食い止めることは可能なのです。ところが睡眠不足では、その機能が不十分になります。脳の健康を維持するためにも、睡眠は欠かせないわけです。もっとも、最近の研究によれば、大人ならだいたい6時間半も眠れば十分だそうです。どれほど忙しい人でも、これくらいなら確保できるのではないでしょうか。

0 コメント

2017年

3月

21日

そもそも認知症とは

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。今や、認知症の高齢者の数は全国で460万人とされています。厚生労働省の推計によれば、高齢化の進展にともない、8年後の2025年には、約700万人に達するとしています。65歳以上の高齢者の5人に1人という、とほうもない割合です。では、そもそも認知症とは、どんな症状なのでしょうか。認知症は、認知機能が低下して日常生活に支障をきたす病気です。加齢による脳の萎縮とは別に考えたほうがよいでしょう。「高齢だから、かかっても仕方がない」というものではありません。認知症には、大きく分けて3つのタイプがあります。1つ目は「脳血管性認知症」です。脳梗塞や脳出血などによって脳の血管に障害が生じ、そこから発症するものです。2つ目は「レビー小体型認知症」です。レビー小体という小さなタンパク質が、神経細胞の中に溜まることで発症します。そして3つ目が「アルツハイマー型認知症」です。「アミロイドβタンパク」や「タウタンパク」という異常なタンパク質のゴミが脳に蓄積することにより、神経細胞にダメージを与えて発症します。認知症の約半数はこのタイプです。このうち「アルツハイマー型」の場合、やはり脳が委縮していくわけですが、加齢による萎縮とはスピードが違います。1年あたりの脳の減少量は、ごく初期でも健常者の約2倍になります。高齢になれば、そのスピードはさらに増すと言われています。症状としては、初期段階ではもの忘れが激しくなります。日にちや曜日がわからなくなったり、ご飯を食べたこと自体を忘れたり、外出先から自宅へ帰れなくなったりします。この症状が半年以上続くと「認知症」と診断されるのです。ただこの段階では、本人も自分の異変に気づいています。さらに進行すると、数十年単位で記憶が失われます。若かったころの意識に戻り、たとえば自分の孫を自分の子どもと錯覚したりするわけです。また、ハシなどを使ったり、歩いたりすることに支障を来すようになります。そして後期段階になると、思考力や判断力のような認知機能が失われ、会話や食事も難しくなります。ただし当然ながら、早期発見・早期治療に努めれば、症状の増悪を抑えることは可能です。あきらめる必要はまったくありません。

0 コメント

2017年

3月

20日

神経の構造と機能

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。神経系は神経細胞(ニューロン)の集まりです。神経細胞は刺激を受けると信号を発します。これを興奮と呼び、興奮は静止電位から活動電位への変化によって電気的に伝えられます。神経細胞同士が興奮を伝える部位をシナプスといいます。神経系には、中枢神経系と末梢神経系という2つの系統があります。中枢神経系には脳と脊髄があります。両者は一体化しており、脳は頭蓋骨に収められていますが、そこから太さ1cmほどの脊髄が伸びているのです。脊髄は、脊柱の背中側にある椎孔という空間を貫いている脊柱管に入っており、腰(第1腰椎と第2腰椎)のあたりまで伸びています。脳は意識的な運動の指令を出し、脊髄は無意識レベルの反射的な運動の指令を出しています。電車で立ってつり革を掴み、揺れに対して両足を踏ん張って姿勢を保つのは、脳による意識的な指令によるものです。電車で座席に座ってうたた寝をしながら、隣の人の肩に頭が寄りかかりそうになる寸前、頭を元に戻すのは脊髄による反射によるものなのです。末梢神経系をさらに細かくみると、脳から発する12対の脳神経と脊髄から発する31対の脊髄神経からなります。末梢神経系はその機能により、体性神経系と自律神経系という分け方もできます。体性神経系とは、運動や感覚などに関わるものです。中枢神経系からの指令を筋肉などの末梢に伝える遠心性神経、末梢の感覚器からの情報を中枢神経に伝える求心性神経神経があります。遠心性神経は運動神経、求心性神経は感覚神経ともいいます。感覚神経は、筋肉に埋め込まれた筋紡錘、腱に埋め込まれた腱紡錘などから筋肉や腱の収縮に関する情報を脳に伝えています。自律神経系は、体性神経系が分布していない内臓を支配しています。自律神経系には交感神経と副交感神経があります。両者は臓器などの組織を二重に支配しており、その働きは対照的です。これを二重支配、拮抗支配と呼びます。たとえば、緊張やストレスがあると交感神経が優位となり、血管が収縮して血流が悪化します。これは肩こりや腰痛の一因です。緊張やストレスがなくなると副交感神経が優位となってリラックスし、血管が開いて血流が促されます。

0 コメント

2017年

3月

19日

筋肉の硬化(コリ)

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。筋肉は自在に伸縮するように作られていますが、不良姿勢の元となるアライメントの異常がある部位、コリや痛みを感じるところでは、筋肉が短くなったまま硬くなっています。その根本的な原因に、筋肉の局所的なエネルギー危機があります。筋肉がストレスや過労で緊張してしまうと、運動神経の末端から過剰なアセチルコリンを含む顆粒が分泌されます。その結果として、筋肉の収縮を促すカルシウムイオンが放出され続けます。カルシウムイオンが出っ放しだと筋肉は縮んだままとなり、筋肉の内圧がアップします。筋肉に酸素と栄養素を運んでいる血管が圧迫されて血流が悪くなり、酸素と栄養素が足りなくなるエネルギー危機が生じます。危機を察した周囲の細胞は、ブラジキニンやプロスタグランジンといった痛みの元となる物質を分泌します。それにより痛みを感じるようになります。痛みを感じると自律神経のうちの交感神経が優位となり、血管を縮めてさらに血流を悪くします。筋肉が元の長さに戻って緩むためには、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー物質の分解によるエネルギーが必要です。ATPの貯蔵量は限られており、つねにリサイクルされていますが、ATPの再生には血液から供給される酸素と栄養素(グルコースと脂肪酸)が必須です。血流不足だとATPの再生が滞り、筋肉は縮んだままになります。これを解消するのが、筋肉を緩めるマッサージ、ストレッチ、関節モビライゼーションといったテクニックです。硬くなった筋肉の反対側には、伸びっ放しとなり、弱体化した筋肉があります。これは主動筋と拮抗筋の関係によるものです。主動筋とはある動きの主役となるものです。拮抗筋はそれと逆の働きをする筋肉です。主動筋が縮んで力を出すとき、拮抗筋は伸びて緩み、主動筋の働きをサポートします。たとえば、膝を伸ばす動きの主動筋である太もも前側の大腿四頭筋が縮むときには、拮抗筋となる太もも後ろ側のハムストリングは緩んで伸びているのです。筋力がもっとも高くなるのは中間位であり、筋肉は硬くなって縮みすぎても、緩みすぎて伸びすぎても、筋力は低下します。硬直した主動筋を緩めると同時に、その拮抗筋には適度な負荷を加える筋トレで適切な長さを取り戻すことも大切なのです。

0 コメント

2017年

3月

18日

筋肉の増減

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨と関節を動かす筋肉は、姿勢を保つ鍵ともいえる役割を果たしています。姿勢を維持している筋肉が弱くなると、正しい姿勢を保つことが難しくなります。筋肉は水分を除くとほとんどがタンパク質からなります。筋肉のタンパク質はつねに分解と合成を繰り返し、数ヶ月ですべてが入れ替わるといわれています。筋肉のタンパク質代謝は、どのくらい身体を動かしているかという身体活動(運動量)の影響を受けやすく、それが筋肉の増減に直接つながります。食事からタンパク質をきちんと摂っていても、運動の刺激が少ないと筋肉のタンパク質の分解が合成を上回るようになり、筋肉は減少します。これを不活動による廃用性筋萎縮と呼びます。廃用性筋萎縮は下半身から起こるケースが少なくありません。一例を挙げると、骨折などで関節をギプス固定して筋肉を長い間動かさないと、その筋肉はたちまち細くなります。また、高齢者が長期間の入院で筋肉を使わないと廃用性筋萎縮から自ら移動できずに寝たきりとなり、寝たきりがさらに廃用性筋萎縮を進めるという悪循環に陥ります。逆に十分なタンパク質を摂りつつ、筋肉に刺激を与えると、筋肉のタンパク質の合成が分解を上回り、筋肉は太く大きく強くなります。そのために行われるのが、自体重、ダンベル、バーベル、マシンなどで適度な抵抗(レジスタンス)を筋肉に加えてその成長と肥大を促すレジスタンス・トレーニング、通称筋トレです。筋トレの刺激を受けると、神経系の適応と筋肥大が同時にスタートします。その寄与率は時間とともに変わります。始めは神経系の適応のほうが優勢です。運動神経と筋肉の連携がよくなって、運動に参加する筋繊維が増えたり、運動神経がシグナルを発する速度が速くなったりして、筋力の増強が起こるのです。続いて起こるのが筋肥大です。筋肉を作る筋繊維1本1本が太くなり、筋肥大が起こります。肥大するのは主に速筋繊維です。筋力は筋肉の断面積に比例しますから、筋肥大に応じて筋力も上がり、姿勢を維持する能力もアップします。筋トレをずっと続けていると、筋繊維の間に潜んでいるサテライト細胞が既存の筋繊維と融合したり、新たな筋繊維を作って増えたりします。

0 コメント

2017年

3月

17日

体幹とスポーツ

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。数年ほど前から、基礎体力作りの一環で、コアを中心とする体幹を鍛えるトレーニングを取り入れるアスリートが増えました。その火付け役ともいえるのは、プロサッカー選手の長友佑都選手です。さらに、学生駅伝で近年目覚ましい活躍を見せている青山学院大学の駅伝チームも、体幹トレーニングの導入でフォームが定まるようになり、一人ひとりのパフォーマンスを最大限に引き出しています。体幹を鍛えるとなぜ運動のパフォーマンスが上がるのでしょうか。その鍵を握るのは、運動のフィードフォワード制御です。これは「あらかじめこうなるだろうな」という予測に基づいて運動の準備を整えることです。体幹などのインナーマッスルを働かせて安定性を高めてから、アウターマッスルで上肢と下肢を自由に動かす可動性を高めて、スタビリティとモビリティを連動させるのです。フィードフォワード制御でインナーマッスルとアウターマッスルの連携がよくなると、正しいフォームが取れるようになります。たとえば、野球のピッチングもバッティングも、下半身で地面を押した反力をインナーマッスルで安定化させた体幹に蓄積し、タメを作ってからアウターマッスルでタイミングよくボールやバットに伝えています。ゴルフやテニスのスイングでも、インナーマッスルで体幹を安定させてから、アウターマッスルでゴルフクラブやテニスラケットに爆発的な力を伝えているのです。正確なフォームによるフィードフォワード制御がうまくいかないと、四肢のような末端だけが働いて本当のパワーはきちんと伝わらなくなります。これがスポーツではタブーとされる手打ち、手投げです。サッカーでも、駅伝やマラソンのような長距離走でも、地面を強く押した反力を活用し、キックや走力のエネルギーに転換しています。それが可能なのは、正しいフォームで体幹が地面を押した反力をしっかりと受け止めて、それをアウターマッスルが手足のような末端に伝えているからです。フィードフォワード制御を活用してパフォーマンスを上げるには、体幹の機能性を一層高めるとともに、四肢とのスムーズな連携の強化が求められます。そのためにスポーツの現場で盛んに応用されているのが、アウターマッスルとともにインナーマッスルを鍛える体幹トレーニングなのです。

0 コメント

2017年

3月

16日

インナーマッスルと姿勢

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。体幹とは、厳密には、人体から頭部、上肢、下肢を除いた胴体部分です。胸部には胸郭という骨格がありますが、腰部には背中側に腰椎が通っているだけです。かわりに姿勢の維持で重要な役割を担っているのは、深層にあるインナーマッスルです。腹部を支えるインナーマッスルは主に4つです。腹筋群の腹横筋、横隔膜、固有背筋の多裂筋、骨盤底筋群です。これらは筋膜を介して連携して働いており、腹部の内蔵をすっぽり覆ってパッケージしている腹膜内の圧力=腹圧を保っています。適度な腹圧は排尿、排便、女性の出産を助けていますが、日常でも姿勢を保つという見逃せない働きをしています。腹部のインナーマッスルが協調して収縮すると、コルセットを着けたときのように腹圧が高まり、深部(コア)を固めて姿勢を安定させるのです。コアのインナーマッスルで腹圧が高まると腰椎を伸ばそうとする力が働きます。これを伸展モーメントと呼びます。伸展モーメントが弱すぎると、腹部が前に突き出て腰椎の前彎がきつくなりすぎるため、周辺の筋肉や筋膜に常時ストレスが加わり、外部からの衝撃にも弱くなります。そこで生じやすいのが、腰痛です。腰痛にはいろいろなタイプがあり、原因もさまざまです。コルセットを着けると腹圧が高まり、伸展モーメントが働きます。伸展モーメントが働くと、腰椎へのストレスが1つの方向だけに集中することが避けられて、分散されやすくなります。それによって腰痛の症状が軽くなるのです。しかし、痛みが治まってもコルセットに頼り続けていると、コルセットに依存するようになってしまい、コルセットを着けていないと怖くなり、変な動きをしてしまうようになる恐れがあります。大切なのは、単にコルセットのようなモノや湿布薬などに頼りきるのではなく、症状を引き起こしている要因を自分なりに理解し、それを意識的に避けようとする努力です。症状を引き起こす大きな要因の1つとなっているのが姿勢です。姿勢を正しく整えようと意識するだけでも、不用意な筋肉の異常が防げますし、症状の緩和や予防にもつながると考えられます

0 コメント

2017年

3月

14日

抗重力筋

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。地上ではつねに重力が働いています。人体に作用する重力の中心を重心(質量中心)と呼びます。まっすぐ立ったときの重心は、成人男性では身長の約56%、成人女性は約55%の高さにあります。これは、骨盤内の第2仙椎のやや前方であり、ヘソの奥にあるという丹田の位置とほぼ重なります。イスに座っているときの重心は、第9胸椎のやや前方です。重力に打ち勝って人体の重みを支え、重心がブレて倒れないように、身体を構成する各組織が姿勢を支えています。たとえば、脊柱のS字カーブや骨盤は構造上、重力に対抗する作りになっています。そして重心を保ち、重力に対して姿勢を保っているのは、なによりも筋肉です。このような役割を持つ筋肉を抗重力筋と呼びます。抗重力筋の中でも大切なのは、背中側にある筋肉です。お腹に重たい内蔵を抱えているため、重力で人体には前のめりになる力が働いています。この力に抗って、全身をまっすぐに保つのは、首の後ろで肩甲骨を支える僧帽筋、脊柱を支える脊柱起立筋群、股関節を支える大殿筋やハムストリング、足首を支える下腿三頭筋といった抗重力筋です。背中側の抗重力筋ばかりが働くと、全身は後ろに倒れてしまいます。そうならないように腹側にも抗重力筋があります。それは首すじの胸鎖乳突筋、お腹の腹筋群、股関節を支える腸腰筋、大腿前側の大腿四頭筋、脛の前脛骨筋などです。

0 コメント

2017年

3月

13日

座っているほうが腰への負担は大きい

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。通勤電車で座席が空いていると、ついつい座りたくなるものですね。座った姿勢から立つだけでも、消費カロリーはおよそ20%アップします。そう考えると、座っている姿勢のほうが立っている姿勢よりもラクにおもえますが、腰部の脊柱に加わる負担は実は立っているときのほうが小さいのです。そのことを示したのが、スウェーデンの整形外科医であるアルフ・ナッケムソンによる古典的な研究です。ナッケムソンは姿勢の違いにより、腰部の脊柱の間にある椎間板に加わる圧力がどのように変わるかを調べました。椎間板は軟骨の一種です。今川焼のような作りをしており、アンコに当たるゼラチン状の髄核を、生地に当たる繊維輪という組織が取り囲んだ作りをしています。ナッケムソンの研究の結果、まっすぐ立ったときを100とした場合、座っているときは140となり、椎間板の内圧は1.4倍になることがわかりました。さらに座ったまま前傾すると、内圧は2倍近い185まで上がり、座った姿勢で重たい荷物を持つと3倍近い275になるとわかったのです。椎間板はクッション性に富んでおり、脊柱に加わる衝撃をやわらげながら、脊柱のしなやかな動きを引き出しています。しかし、腰部の椎間板に過度の屈曲やねじれが加わったり、強い圧力がかかり続けたりすると、繊維輪が割けてしまい、そこから飛び出した髄核が周囲の神経などの組織を圧迫する腰部椎間板ヘルニアの起こるリスクが高まってきます。座ると椎間板に加わる内圧が高まるのは、腰椎のカーブが変化するためです。前傾すると上体の重みがプラスされますから、さらに内圧が上がります。自宅でもオフィスでも座っている時間が長いのに腰痛になりやすいのは、座り続けると椎間板の内圧が高まるうえに、デスクワークなどで前傾姿勢を取るとさらに内圧が上がってしまうからです。運動不足で座っている時間が長いと体幹の筋肉が衰えやすく、腹圧が下がって腰椎に対するストレスが増えてくるのも要因に挙げられます。ただし、立っているときは重力に対して姿勢を支える筋肉の負担が増えます。同じ作業なら立って行うより、座ったほうが筋肉の負担は少ないため、じっと立っていると疲れて座りたくなるのです。

0 コメント

2017年

3月

12日

脊柱のS字カーブ

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。脊柱は人体の大黒柱であり、姿勢と体幹を支えています。建物の構造を支える大黒柱はどこから見てもまっすぐですが、脊柱は真正面から見るとストレートなのに、真横から見ると緩やかにS字状のカーブを描いています。これを生理的彎曲、またはS字カーブと呼びます。S字カーブは、首(頸椎)、胸(胸椎)、腰(腰椎)という3か所で見受けられます(このほか、仙尾骨にもカーブがあります)。具体的には、頸椎で前方に30~35度前彎、胸椎で後方に34~37度後彎、腰椎で前方に43~45度前彎しているのです。こうしたS字カーブは、ヒトが直立二足歩行をする進化のプロセスで得たものだと考えられています。もともとヒトの骨格は、ほかの動物と同じように四つ足で身体を支えながら移動するためにデザインされたものです。それをフルモデルチェンジすることなく、マイナーチェンジして使っているのです。そのマイナーチェンジの中でもことに大事なのが、ほかの動物には見受けられない脊柱のS字カーブです。通常、四つ足の動物の脊柱は地面に対してアーチを描くように後彎しているだけなのです。頭部の重さは成人で体重のおよそ10%、70㎏なら7㎏前後にもなります。これほど重たいものを脊柱に乗せるとバランスが悪くなり、着地などの衝撃がダイレクトに頭部に伝わると脳への悪影響も心配されます。そこで、前後へ交互に彎曲するS字カーブがサスペンションのように働いて重みや衝撃を適度に散らして、より少ない労力で姿勢を安定的に保ち、頭部に加わるダメージを軽くして脳を守っているのです。まっすぐな脊柱と比べると、S字カーブを描く脊柱は垂直方向の強度が10倍になります。ヒトのS字カーブは、発生から成長するにつれて徐々に作られます。お母さんのお腹にいる胎児の頃は脊柱全体が緩やかに後彎しています。この脊柱の後彎を一次彎曲と呼びます。誕生後、首が据わる頃になると、頸椎の前彎が生じるようになります。さらに、立って歩けるようになると、腰椎の前彎が生まれます。こうした脊柱の前彎を二次彎曲と呼びます。一次彎曲と二次彎曲の組み合わせにより、直立二足歩行を可能にするS字カーブが完成するのです。

0 コメント

2017年

3月

11日

呼吸と姿勢

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。成人は1分間に12~18回ほど呼吸をしています。1分間に18回だとすると、1日で2万5000回以上も呼吸をしている計算になります。人体の全細胞と組織が求める酸素を取り込み、不要になった二酸化炭素を排出する呼吸は健康のベースです。しかし、姿勢が悪いと呼吸が浅くなり、必要な酸素が届かなくなって細胞レベルで活動量が下がり、不要な二酸化炭素がスムーズに排出されない恐れがあります。姿勢と呼吸が関連するのは、姿勢を維持している筋肉が呼吸を助けているからです。ですから、アライメントを保つ筋肉が衰えると正しい姿勢が取れなくなるうえに、呼吸にまで悪い影響が及んでしまうのです。呼吸はどのようにして行われるのでしょうか。呼吸に関わる臓器は、胸郭に収められた左右一対の肺です。肺が大きくなると内部の圧力が下がり、高気圧から低気圧に風が流れるように酸素を多く含む空気が入ります。次に肺が縮むと内部の圧力が高くなり、二酸化炭素を多く含む空気が出ていきます。肺自体はゴム風船のような組織であり、自ら膨らんだり、縮んだりできません。かわりに肺の動きを助けるのが、呼吸筋です。その代表は横隔膜と肋間筋です。横隔膜は胸郭の底を支えているドーム型の筋肉です。収縮すると横隔膜は下がり、胸郭と肺のスペースが広がって、空気が肺に入ってきます。続いて緩むと横隔膜は上がり、胸郭と肺のスペースが狭くなって、空気が肺から出ていくのです。このほか、腹部にある腹筋群の腹横筋が収縮するとお腹全体が縮まり、横隔膜を押し上げて空気が排出されやすくなります。肋間筋とは、胸郭を作る肋骨の間にある2層の筋肉です。外側の外肋間筋と内側の内肋間筋があります。外肋間筋と内肋間筋の働きは正反対です。外肋間筋が縮むと肋骨が上がって胸郭が広がり、空気が入りやすくなります。内肋間筋が縮むと肋骨が下がって胸郭が狭くなり、空気が出やすくなるのです。横隔膜は腹圧を保つインナーマッスルの一種です。腰椎を伸ばす進展モーメントを強めて姿勢を保っています。肋間筋も肋骨と胸郭の動きを支えて、姿勢を保っています。このほか、横隔膜以外の腹筋群、僧帽筋、胸鎖乳突筋といった重力に対する姿勢の調整に深く関わる抗重力筋もまた、呼吸を助けているのです。

0 コメント

2017年

3月

10日

加齢と姿勢

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。骨の基本的な構造は、繊維状のタンパク質(コラーゲン)にカルシウムなどのミネラルが結晶したものです。骨に含まれるコラーゲンや、カルシウムなどのミネラルの総量を骨量といいます。骨量が減って骨がスカスカになり、骨折しやすくなった状態が骨粗しょう症です。女性は45~55歳で閉経を迎えて女性ホルモンが減ると骨量が減り、骨粗しょう症にかかりやすくなります。男性でも、60歳以降になると骨量が減り始めます。骨粗しょう症で脊柱がおしつぶされるような圧迫骨折を起こしたり、背骨の間にある椎間板が変形したりすると、背中が丸まった円背という姿勢に陥りやすくなります。杖をついて歩いている高齢者の多くに、この円背が見受けられます。姿勢を支えている筋肉も、運動不足だと30歳をピークとして年0.5~1.0%の割合で右肩下がりに減り続けます。「老化は足腰から」といわれるように、とくに減りやすいのは下肢の筋肉です。太ももやふくらはぎといった下肢の筋肉は体重を支えるため、上肢の筋肉と比べると大きくて丈夫に作られています。大きくて丈夫であるがゆえに、下肢の筋肉は衰えやすくなります。大きくて丈夫であるほど、大きな力で刺激を与えないと弱くなるからです。下肢の筋肉が衰えると体重を支えるのが難しくなり、バランスも取りにくいので、股関節や膝関節を曲げて重心を下げようとします。これも高齢者特有の姿勢です。太ももの筋肉が弱くなると、膝関節に加わる衝撃が大きくなり、軟骨がすり減って膝が痛む変形性膝関節症の誘因となります。いつばでも丈夫な骨と筋肉で正しい姿勢を保つには、タンパク質やカルシウムといった栄養が不足しないように気をつけるべきです。加えて適度な運動の刺激で筋肉が衰えないように保ちましょう。運動の刺激は骨を強くする効果もあって一石二鳥です。

0 コメント

2017年

3月

09日

スタビリティ(安定性)とモビリティ(可動性)

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。肩こり、腰痛、頭痛、疲労感、膝や股関節の痛み…。慢性的に感じているこりや痛み、不調の背後には、本人が意識していない姿勢の乱れがあります。人体は、頭部、体幹、上肢(両腕、肩甲骨、鎖骨)、下肢(両脚)という4つの主要な部位からなります。これらの部位とその関節の並びを、アライメントと呼びます。良い姿勢とは、全身のアライメントが整っており、身体の負担がもっとも少なく、より少ないエネルギーで効率的に保てるものです。アライメントが乱れて、全身に負担をかけてしまい、エネルギーを浪費してしまうのが悪い姿勢、不良姿勢です。正しい姿勢は、こり、痛み、不調などがない健康的な生活のベースです。ところが、困ったことに現代人では正しい姿勢が取れている人はほとんどいません。現代人のアライメントが乱れて不良姿勢による各種のトラブルが増えた背景には、生活習慣の変化があります。姿勢は骨格、筋肉、筋膜、神経系などによって保たれています。なかでも生活習慣の影響を受けやすいのは筋肉です。筋肉は使わないと弱くなって伸び、使いすぎると疲労して硬く短くなるという性質があります。現代では家事労働や肉体労働が減って筋肉を使って動く機会が少なくなり、座って前傾姿勢でパソコンやスマートフォンなどを使う時間が長くなりました。すると、弱くて伸びたり、硬く短くなったりする筋肉が増えます。こうして姿勢が崩れ、ある一定の方向につねに力がかかりやすくなり、その人の限界を超えると症状が出ると考えられます。アライメントと全身の姿勢を保ちながら、多彩な動きを実現するには、スタビリティ(安定性)とモビリティ(可動性)を両立させる必要があります。スタビリティでメインに働くのはインナーマッスル(深層筋)であり、モビリティでメインに機能しているのはアウターマッスル(表層筋)です。インナーマッスルは骨格に近い深部を走る小さく短い筋肉群であり、アウターマッスルは体表を走るより大きく長い筋肉群です。偏った生活習慣により、アウターマッスルとインナーマッスルの筋力バランスが崩れると、アライメントが乱れて不良姿勢が起こるだけでなく、歩いたり走ったりといった基本動作も正しく行えなくなります。

0 コメント

2017年

3月

07日

「便秘」=「ガン体質」

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。免疫の働きは、血液中の白血球が中心になって細菌やウイルスの侵入を防ぎ、異物を処理することです。白血球には大きく分けて2種類あります。1つは、細菌などの大きめの異物を処理する「顆粒球」です。顆粒球は、細菌を見つけると食べて殺してしまいます。その仕事が終われば死んでしまい、その死骸は、できものをつぶすと出てくる「膿」になります。もう1つが「リンパ球」です。ウイルスなどの小さめの異物や、ガン細胞を処理します。顆粒球とリンパ球のバランスを維持するのが、「自律神経」です。現代は「交感神経過剰型社会」です。ストレスなどで交感神経が興奮すると、顆粒球がどんどん増えます。交感神経が過剰に働く体は、リンパ球を減らしてしまいます。すると体内は、ガン細胞が育ちやすい環境に変わります。そこで気をつけたいのが「便秘」です。交感神経が過剰になって起こる便秘は、リンパ球が少なくなっている兆候、つまり、体が「ガン体質」にかたよっている兆候なのです。

0 コメント

2017年

3月

06日

「発酵食品」が腸を強くする

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。腸内細菌の繁殖のさまは、草花の群生に似ていることから花畑にたとえられて、腸内フローラ(腸内細菌叢)と呼ばれます。日々、この花畑では「善玉菌」と「悪玉菌」の勢力争いが繰り広げられています。悪玉菌が優勢になれば、悪玉菌がつくり出す毒素によってさまざまな健康障害を起こします。善玉菌が多くなると、免疫力が高まります。また、腸内が弱酸性の環境になり、酸を嫌う悪玉菌の増殖を抑えます。善玉菌の代表である乳酸菌には、腸や胃の粘膜を保護する働きがあり、「胃ガン」を引き起こすピロリ菌の繁殖も抑えてくれます。ただ、日本人には牛乳やヨーグルトなどの乳製品に含まれる乳糖を、うまく消化できない人もいます。そこで、味噌、しょうゆ、漬け物、納豆、近ごろ話題の塩こうじ、酒かす…と、日本の伝統食としての多種多様な「発酵食品」で善玉菌を補いましょう。腸内環境は、排便のたびにリセットされます。したがって1日1回は発酵食品をとって腸のケアを行うことで、毎日の健康が保たれます。

0 コメント

2017年

3月

05日

「老いない体」は、強い腸から

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。良好な腸内環境は「老いない体」をつくる要です。便通は毎日あるか、便は硬すぎず軟らかすぎず、いきまなくてスルリと出るか、鼻を突く悪臭を放ってはいないか…。毎日の食生活の結果である「便通」「便臭」は、腸内環境の状態を表すバロメーターです。便秘は腐敗便をつくります。腸内の有害物質はすみやかに外に排泄されないと、腸内でどんどん毒素を出しつづけます。そうして便は腸内で腐敗し、腸内環境は病気の温床に変わってしまうのです。また、便臭は食事と密接な関係があり、たとえば肉をたくさん食べた次の日の便は、強烈な悪臭を放ちます。動物性油脂の多い食事が、インドール(悪臭のもと)などの腐敗産物をつくる悪玉菌を増やすからです。タンパク質は大切な栄養源とはいえ、肉食を週2~3回程度に制限する理由は、ここにもあります。「理想的な便は水に浮く」というのは、インド伝統医学(アーユルヴェーダ)に伝わる、健康な便の目安です。ちょっと意識して観察し、健康に大きく関わる腸の状態を知ることも、「老いない体」をつくっていくためには重要な習慣です。

0 コメント

2017年

3月

04日

胃腸を整えて免疫力増強

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。胃腸のコンディションを整えることは、50代からの「老いない体」づくりの基本的なケアの1つです。胃腸の消化能力は、加齢とともに「消化酵素」が減ってくることで低下します。放っておけば連鎖的に免疫力を低下させることになります。消化能力が減退した人には、50歳を過ぎるころから、胃酸が食道に逆流する症状がしばしば見られるようになります。「逆流性食道炎」です。それを抑えるために、多くの人は「制酸薬」を飲みます。これは胃酸の分泌を抑えてしまう薬なので、目先の効用として気分はスッキリしても、体内では胃酸がますます分泌されなくなる、という悪循環におちいります。そして症状は消えても、長い目で見れば、消化能力はますます落ちていってしまうのです。胃酸の分泌が十分でないと、骨がもろくなることも報告されています。また、胃酸には、外部からの雑菌を殺すなどの作用があります。制酸薬を飲み続けると、殺菌作用も弱めてしまうことになります。

0 コメント

2017年

3月

03日

「旅」と「日記」で脳を活性化

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。疲労の8割は「脳の疲れ」だと言われています。疲れているとき、落ち込んだとき、寝つけないときは、昔の楽しいことを思い出してみましょう。それだけで、脳が癒されて、穏やかな気分に包まれます。好奇心が、脳を刺激して活性化することもわかっています。たとえば、テレビや新聞から得られる世事に関心を持つだけで、脳は十分に刺激されます。「旅」も非常に効果的です。非日常性、見知らない場所、異質な文化、慣れない土地でのちょっとした不便さなどに、脳が刺激を受けるからです。実際「旅行好きに認知症は少ない」という研究報告も出ています。「日記」をつけるのも記憶力の増強に有効です。その日の出来事や、それに対して感じたり思ったりしたことを文字にすると、それだけで刺激になるし、日常を豊かにして脳の機能を維持するうえでおおいに役立ちます。心身の健康は、やりたいことを実現するために必要な「手段」です。けっして、健康になること自体が「目的」ではありません。だから、50代からは「今を生きることを最大限に楽しむ」ことを心がけましょう。それが健康増進の原動力になるのです。

0 コメント

2017年

3月

02日

コーヒーで驚きのアンチエイジング

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。コーヒーには、さまざまな健康効果があります。疲れると、脳に疲労物質がたまりますが、コーヒーを飲むとカフェインが疲労物質の作用を抑えてくれます。そのほかにも「1日1杯のコーヒーを飲むことで、糖尿病のリスクを13パーセントも軽減できる」という研究成果も報告されています。こうした効果をもたらす成分は、コーヒーに含まれるクロロゲン酸です。クロロゲン酸は、強力な抗酸化(サビつき防止)作用を持つ第7の栄養素「フィトケミカル」の一種です。1日にコーヒーを2杯以上飲む女性は、紫外線によるシミが少ないことが確認されています。コーヒーも「メイラード反応」に関わる食品ですが、クロロゲン酸の抗酸化作用が、その害を打ち消しているようです。野菜や果物を大量にとったうえで、コーヒーを2杯以上飲めば、肌の酸化対策は万全です。ただし、いくら健康効果が認められているといっても、コーヒーを5杯も6杯も飲むというのは、やはり害になります。「何ごともほどほどに」は、コーヒーにも当てはまります。

0 コメント