神経の構造と機能

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。神経系は神経細胞(ニューロン)の集まりです。神経細胞は刺激を受けると信号を発します。これを興奮と呼び、興奮は静止電位から活動電位への変化によって電気的に伝えられます。神経細胞同士が興奮を伝える部位をシナプスといいます。神経系には、中枢神経系と末梢神経系という2つの系統があります。中枢神経系には脳と脊髄があります。両者は一体化しており、脳は頭蓋骨に収められていますが、そこから太さ1cmほどの脊髄が伸びているのです。脊髄は、脊柱の背中側にある椎孔という空間を貫いている脊柱管に入っており、腰(第1腰椎と第2腰椎)のあたりまで伸びています。脳は意識的な運動の指令を出し、脊髄は無意識レベルの反射的な運動の指令を出しています。電車で立ってつり革を掴み、揺れに対して両足を踏ん張って姿勢を保つのは、脳による意識的な指令によるものです。電車で座席に座ってうたた寝をしながら、隣の人の肩に頭が寄りかかりそうになる寸前、頭を元に戻すのは脊髄による反射によるものなのです。末梢神経系をさらに細かくみると、脳から発する12対の脳神経と脊髄から発する31対の脊髄神経からなります。末梢神経系はその機能により、体性神経系と自律神経系という分け方もできます。体性神経系とは、運動や感覚などに関わるものです。中枢神経系からの指令を筋肉などの末梢に伝える遠心性神経、末梢の感覚器からの情報を中枢神経に伝える求心性神経神経があります。遠心性神経は運動神経、求心性神経は感覚神経ともいいます。感覚神経は、筋肉に埋め込まれた筋紡錘、腱に埋め込まれた腱紡錘などから筋肉や腱の収縮に関する情報を脳に伝えています。自律神経系は、体性神経系が分布していない内臓を支配しています。自律神経系には交感神経と副交感神経があります。両者は臓器などの組織を二重に支配しており、その働きは対照的です。これを二重支配、拮抗支配と呼びます。たとえば、緊張やストレスがあると交感神経が優位となり、血管が収縮して血流が悪化します。これは肩こりや腰痛の一因です。緊張やストレスがなくなると副交感神経が優位となってリラックスし、血管が開いて血流が促されます。