本八幡の整体院より,安静第一主義はフレイル(虚弱)を招く

本八幡の整体、風の整体院の岩田です。不調があると、つい弱気になって外出を控えたくなるものです。しかし、「不調な時は安静にしているのがいちばん」という思い込みは、逆効果になりかねません。家でじっとしていると、血行不良から、酸素不足が進むからです。急性の症状や、痛みで動けない時は安静が第一ですが、「なんとなく不調」という程度なら、むしろ体を動かして血流をうながし、酸素を多く取り入れたほうが、体にいいといえます。全身運動の基本である日常の「歩き」も少し変えましょう。負荷をほんの少し高める歩き方を習慣にするのです。今までより少し歩幅を広げて歩く。また、たとえ起伏の少ない住宅街に住んでいても、ちょっとした階段やアップダウンはあるものです。そういう道を選んで歩きましょう。エスカレーターに乗らず階段を利用するのも、いい健康習慣になります。段差で足を持ち上げる動作には、内臓を持ち上げて刺激するという副効果もあるのです。小さな負荷も、積み重ねることで大きな成果になっていきます。安静第一にしすぎると、「廃用症候群」になるリスクが上がります。脳には、体の使わない部分は「いらないもの」と見なして信号を送らなくなる性質があるのです。そのため、たとえば筋肉なら、動かさなかった部位は新陳代謝が止まり、新しい筋肉細胞が成長しなくなります。関節なら固まって動きが悪くなり、心肺機能なら少し動くだけで息切れが生じるようになります。そうなると、気持ちも消極的になり、フレイル(虚弱)になって、ついには寝たきりに陥りかねません。これが廃用症候群の恐ろしさです。介護の現場で、高齢者をできるだけ動かさないやり方があるようですが、必ずしも正解とは言い難いと思います。足も、目や耳も、体はすべてバランスよく使ってこそ健康が保たれます。今はまだ介護不要の人なら、「歳をとったらラクしよう」ではなく、「歳をとるほど、どんどん動こう」が正解です。どんどん外に出て歩くことが推奨されるのです。風邪をひいた時も、薬を飲んで安静にするのがベストとは限りません。やたらと薬を服用すると、治癒を遅らせるという報告もあるのです。世界的な権威がある科学誌「ネイチャー」に、風邪を早く治す方法を調べた結果、治りがいちばん遅かったのは、なんと薬を飲んだ被験者だったという論文が掲載されたのです。薬を飲むと、それを分解するために肝臓に負担がかかり、自然治癒力のほうに必要なエネルギーが回らないからだと思います。