本八幡の整体院より,「眼の疲れ」は神経の疲れ

本八幡の整体、風の整体院の岩田です。スマートフォンやタブレットが普及したために、最近は眼精疲労を訴える人が急増しています。仕事中は1日中パソコンと向き合い、家のなかでも、移動中でも、多くの方がスマートフォンをチェックしています。このような生活では、眼が疲れ、頭痛を覚えるのは当然だと言わざるを得ません。眼のレンズを調整するのは毛様体筋という筋肉ですが、この筋肉が縮むとレンズが厚くなって近くにピントが合い、緩むとレンズが薄くなって遠くにピントが合うようになっています。そして動物は、遠くにピントを合わせなければ、獲物を捕まえることも、逆に外敵から逃げることもできません。そのため体の本来のメカニズムとしては、人間も、仕事中などで緊張しているときには、遠くを見るようにつくられています。このとき、交感神経が眼のレンズを薄くして、遠くを見るようにしています。逆に、赤ちゃんがお母さんのおっぱいを飲んでいるとき、お母さんと赤ちゃんとは、50㎝くらいの非常に近い距離にいます。おっぱいをあげるときに、獲物を捕まえるときと同じように緊張している人はいませんね。むしろ脳はリラックスしています。脳がリラックスするのは、近くを見ていて安心できるときです。このとき、眼に対しては副交感神経優位になっており、眼のレンズは分厚くなっています。ところが、最近の数十年で、人間は仕事をするとき、つまり緊張するときに近くを見なければいけなくなりました。パソコンでの作業、スマートフォンの画面を見ることは、とくにこれにあたります。これは本来のメカニズムからすると異常なことです。脳は交感神経優位になっているにもかかわらず、眼に対しては、副交感神経の刺激を出さなければいけないのです。この矛盾が、眼精疲労を引き起こしているのです。現在では、眼精疲労の度合いを実際に測ることができる医療機器もあたります。たとえば、30㎝という近い距離に焦点を合わせて、そこをずっと見るようにすると、脳は眼の毛様体筋に対して副交感神経の刺激を送らなくてはなりません。しかし、一方で、近い距離でデスクワークの仕事をしていると、緊張感によって交感神経が優位になってきます。この矛盾が続くと、やがて毛様体筋に痙攣のような震えが起きます。この震えが、眼精疲労の正体です。この眼の震えが、「副交感神経の異常スパイク」としてその数をカウントすることができ、その値は、眼精疲労の疲労感と相関することがわかっています。つまり眼精疲労とは、これまでは眼自体の問題だと思われていたのですが、実際にはそうではなく、自律神経自体の矛盾から起きていたのです。パソコンを使ったデスクワークやタブレットを長時間使用する際には、少なくとも1時間に1回は席を立って休憩し、遠くを見たり眼を休めたりすることを心がけましょう。もちろん、オフィスから窓の外や遠くを見てもいいのですが、目を凝らして「見る」のではなく、自然に遠くを「眺める」のがいいのです。