中高年の膝の痛み

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡・京成八幡 風の整体院 岩田です。50歳以上の中高年に見られるひざ痛の原因の多くは、変形性膝関節症によるもので、関節軟骨がすり減って起こる痛みです。では、このひざの痛みはどのようにして起こるのでしょう。多くの人は「ひざの変形により神経が圧迫されて痛む」「ひざ関節の軟骨がすり減り、こすれ合って痛む」と考えます。しかし、これは大きな間違いです。ひざが変形しても神経の圧迫で痛みを発することはないのです。同じように、ひざの軟骨がすり減っても基本、痛みはありません。では、なぜ痛むのでしょうか?ひざの関節は関節包という袋に包まれています。実は、この関節包を内張りする薄い膜である滑膜に炎症が生じるためにひざが痛むのです。年を重ねると、関節も老化し、クッションの役割をする関節軟骨や半月板がもろくなって破壊され、細かく砕かれた摩耗粉が関節包内にばらまかれ骨膜を刺激します。するとこの摩耗粉を異物とみなす免疫反応によって、滑膜の細胞から炎症性サイトカインという生理活性物質が放出されて炎症が起こり、痛みが生じるのです。なお、炎症性サイトカインは血管を膨らませる働きがあるため、血液や体液が関節包内にしみこむので、痛みのほか、腫れなどの症状も同時に起こります。変形性膝関節症は、50歳以上の中高年の女性に多く見られ、肥満・運動不足が最大の要因です。痛みは初期から強く、治療を怠っていると徐々に進行し、スッと歩くことができない、しゃがめない、階段の上り下りがつらいなどの日常生活における動作に障害が出てきます。