耳で空気を読む

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。昨今、電話対応のできない新入社員がメディアで話題に上がりますが、これも現代人の聴覚系が衰えていることを象徴する事例のひとつです。若者に限らず、視覚優位の社会に慣れきってしまった現代人は、声だけを聞いて脳に情報を取り込む能力や、声だけで必要な情報を伝える能力が落ちていく傾向にあるのです。いきなり「耳で空気を読む」といっても、どういうことかと思われそうですが、たとえば、仕事で電話を取り次ぐ際、電話を受けるべき担当者が不在だったとします。そのとき、相手の声が急いでいる様子であれば、単に「○○は不在です」と伝えるより、「至急折り返させます」とか「私で対応できることであればお伺いします」と答えられたほうが、取引先への印象も良くなります。このように、相手の声から、相手が置かれた状況を素早く感知して、臨機応変な応対ができるようになれば、仕事の効率は上がり、自身の評価も上がるはずです。これが「耳で空気を読む」ということなのです。声だけで相手の心情を読み取ったり、対応のバリエーションを増やしたりするには、職業ごとに相応の訓練や経験が必要ですが、その基礎トレーニングとしておススメなのは、ラジオでいろんな人の声を聴いて、その人が置かれた状況や、そのときの心情を想像してみることです。ちゃんと注意を向けて聴くようにすれば、「今日はこの人うれしそうだな」とか「今日はちょっと声が疲れているな」とか、声だけでも、少しずつ相手のことがわかるようになっていくはずです。