「おしり」股関節を守る最大・最強の筋肉

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。人間の身体の中で1番大きな関節は、骨盤にある股関節です。人間が歩く時、片脚の股関節にかかる力は最大で体重の3倍以上になります。たとえば体重50㎏の方が歩くと、一歩ごとに最大150㎏以上の負荷が股関節にかかるというわけです。150㎏といったら力士の体重くらいです。一歩踏み出すたびにこれほどの負荷が股関節にかかるわけです。このとき股関節を安定させ、衝撃を吸収し、守ってくれるのが、実は「おしり」の筋肉なのです。おしりの筋肉は主に大殿筋・中殿筋・小殿筋の3つで構成され、なかでも大殿筋は人間の筋肉の中で最も大きく、そして最強の筋肉です。大殿筋は股関節を取り囲むように付着しており、大殿筋が発達すればするほど、股関節への負担が減り、歩いたり、走ったり、飛び跳ねたりすることが楽にできるようになるのです。そのほかの中殿筋や小殿筋も大殿筋ほどの力は発揮できないものの、歩く際に股関節を安定させたり、バランスをコントロールしたり、片脚で立つなどの複雑な動きをする際に身体を安定させたりと、人間の動作に大きく貢献しています。みなさんが思う以上に、私たちは気づかないうちに毎日おしりに頼っているのです。みなさは脚の筋肉を鍛えることが大事だということはご存知だと思います。たしかに脚の筋肉も大事ですが、全身の各関節を観察すると、足首や膝の関節に比べて股関節のほうがはるかに大きいことは一目瞭然です。関節が大きいと、それだけ大きな力を発揮したり、大きな動きを行ったりすることができます。その股関節に密接に関わっているのがおしりの筋肉なのです。しかし、残念なことに、このおしりの筋肉群は大変弱くなりやすい性質を持っています。普段の姿勢や運動習慣、生活環境にとても影響を受けやすい筋肉なのです。みなさんも若い頃に比べて背中が丸くなってきた、ずっと立っていられない、階段の昇降がつらいなど自覚することがあるのではないでしょうか。これらは、おしりの退化スイッチがオンになっているというサインなのです。