ストレスからくる胃痛

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。よく「ストレスで胃が痛くなる」という言葉を耳にしますが、ストレスはときに、胃に深刻なダメージを与えます。ストレスがもたらす胃の病気には、「急性胃炎」「慢性胃炎」「神経性胃炎」「急性胃潰瘍」などがあり、これらはいずれも、自律神経のバランスの乱れによって生じます。私たちが食事をとると、通常は体がリラックス状態になり、胃や腸での消化を促す副交感神経が優位になって、適度な量の胃酸が分泌されます。胃酸には、食べ物と一緒に入ってきた細菌などを殺す働きもあり、酸性度が高いため、このとき、胃の粘膜を守る粘液も分泌されます。副交感神経が優位なときは血流もよく、この粘液が十分にいきわたります。しかし、過剰なストレスによって交感神経が優位な状態が続くと、胃の血管が収縮して血流が悪くなり、粘液の分泌量が減少します。すると、胃の粘膜が胃酸にさらされ、傷ついてしまいます。逆に、交感神経が優位な状態が続いた後、高ぶった交感神経を抑えるために、反動で副交感神経が働きすぎてしまい、胃酸が過剰に分泌だれて、胃の粘膜を傷つけることもあります。こうして胃の粘膜が傷つくと、炎症が起き、急性胃炎や慢性胃炎が発生するのです。なお、神経性胃炎は、自律神経の乱れによって胃の働きがコントロールできなくなり、蠕動運動が正常に行われなくなったり、胃酸が過剰に分泌されたりするもので、胃が痛む、胃がもたれる、胸やけがする、食欲が低下する、といった症状が起こります。急性胃潰瘍も、やはり自律神経の乱れによって胃酸が過剰に分泌され、胃の粘膜が傷ついて、表面がただれたり、穴があいてしまったりするもので、悪化すると、激しい痛みや出血などの症状が出ることもあります。