日本人の死亡原因第3位

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。人間は、食べ物を食べてエネルギーを取り込まなければ生きていくことができません。「食べる=エネルギーを取り込む」という行為は、生き物が生命活動を営むうえでのいちばんのベースとなる行動であり、私たちは、日々その行動をごく「当たり前のこと」として行っています。しかし、飲み込む力が衰えると、その「当たり前のこと」が当たり前にできなくなってしまうのです。ご存知の方も多いと思いますが、飲み込む力が衰えてくると、しばしば「誤嚥」が起こるようになります。「嚥」という漢字は「飲み込む」を表していますので、誤嚥というのは文字通り「誤って飲み込む」という意味です。食べた物が食道ではなく、気管や肺のほうに入ってしまうわけです。すると、気管や肺に入った食べ物によっり炎症が起こり、「誤嚥性肺炎」が発生することになります。そして、この誤嚥性肺炎が命取りとなるのです。実は今、肺炎は日本人の死亡原因の第3位となっています。日本人の死亡原因は、かつては長年にわたり「1位ガン、2位心臓疾患、3位脳血管性疾患」が不動のトップ3でした。ところが、2011年、肺炎による死亡者数が脳血管性疾患を追い抜いて、第3位になりました。その座をキープしたまま現在に至り、肺炎で亡くなる人の増加が社会問題化し始めています。どうして肺炎死者数がこんなに増えているのでしょうか。これは、誤嚥性肺炎で命を落とす高齢者が多くなったせいなのです。つまり、飲み込む力を衰えさせてしまったために誤嚥を起こし、肺炎をこじらせて亡くなっていくケースが非常に増えているわけです。だから、飲み込む力を衰えさせてしまってはダメなのです。特に70代以上の高齢者の場合は、飲み込む力をどれだけキープできるかが、寿命を決定づけるカギになると言ってもいいでしょう。しかも、これは決して高齢者だけの問題ではありません。実は、飲み込む力は、40代、50代あたりから徐々に低下しています。実際に、30代から誤嚥が始まっているという報告もあります。嚥下機能は、高齢になってから急に衰えるわけではないのです。