連動する口腔環境と腸内環境

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。食べ物が口へ入ってから、その後どんなルートをたどって体の栄養になっていくのか、みなさん何となくおわかりだと思います。口腔内へ入ると、食べ物はまず咀嚼によって細かく砕かれ、唾液と混ぜ合わされて消化が始まります。飲み込んだ食べ物は食道を経て、胃へ。ここで、さらに消化が進み、小腸、大腸へと進んで、消化・吸収されていきます。まさに、口は消化器官のスタート地点であり、腸までずっとつながっています。ただ、口腔と腸は物理的にはつながってはいても、これまでは、機能的なつながりはうすく直接影響を及ぼしあうことはないと考えられていました。ところが、最近の実験によれば、歯周病菌をマウスに飲ませると、腸内細菌バランスが乱れるということが明らかになり、機能の面でも、口腔と腸は関係し合っているということがわかってきたのです。この関係は、新潟大学の研究結果で証明されました。歯周病の代表的な病原菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス菌をマウスの口腔から投与するというもので、その結果、マウスの腸内細菌のバランスが大きく変化し、全身的な炎症を引き起こしたそうです。つまり、口腔の環境が悪化すると、腸内細菌のバランスが乱れ、腸内環境も悪くなるということになります。この腸内細菌は、ある種類のリンパ球の発達にかかわっているため、腸内環境が悪化すると、免疫機能の調節が難しくなります。一方、口腔内にある免疫細胞は、腸管で成熟したものがリンパ管を経由して、口腔に到達したものです。そのため、腸内環境が悪くなると、口腔内の免疫力もダウンしてしまいます。口腔と腸はただつながっているというだけでなく、どとらかの状態が悪くなると、もう一方の働きも悪くなってしまう深い関係にあるのです。ちょっと不思議に聞こえるかもしれませんが、お腹の元気をキープするためにも、正しい歯磨きは大切なのです。