小腸の天敵「グルテン」

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。小麦のグルテンはタンパク質なわけですが、タンパク質は通常、アミノ酸にまで細かく分解されたうえで小腸のひだから吸収されます。分子量がちゃんとアミノ酸のレベルにまで細かくされたうえで吸収されていれば、何も問題は起こらないのです。ところが、小腸のひだの粘膜に「腸もれ」の穴があると、分子量の大きな未消化のタンパク質までもが吸収され、体内に入ってしまうことになります。人の体は分子量1万以上のタンパク質が侵入してくると、それを異物とみなして抗体をつくり、以後、同じ侵入者に対して攻撃をしかけるようになります。これによりアレルギー反応が起こるわけです。そして、グルテンは、まさに「分子量1万以上の未消化のタンパク質」なのです。つまり、「腸もれ」があると、腸粘膜の穴から悠々とグルテンが入っていってしまうようになり、侵入者に対して、さかんに攻撃が行われるようになります。これが「グルテン不耐症」などのアレルギー症状を引き起こすことになるわけです。また、グルテンには、腸粘膜を荒して「腸もれ」を悪化させる働きがあることもわかっています。グルテンに含まれるグリアジンタンパク質には、小腸内で、「ゾヌリン」という物質を放出させる作用があり、このゾヌリンの濃度が高くなると小腸粘膜細胞の結合部分が緩んで、より穴があきやすくなるのです。これはすなわち、普段からパンやパスタ、ピザ、うどんなどの小麦食品を摂ってグルテンを入れていると、「腸もれ」が進みやすくなるということです。グルテンが腸に入ると「腸もれ」が起きやすくなり、「腸もれ」が起こるとグルテンが体内に侵入しやすくなり、グルテンが体内に侵入するとアレルギー症状がひどくなり…といったように、どんどん悪循環を招いてしまうことになるわけです。