生後10ヶ月が体質を決める

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。現代人の腸が弱くなって、食物アレルギーが多発するようになってしまったのには数多くの要因が絡んでいます。そうした要因の中でもいちばん問題なのは、赤ちゃんが生まれてから生後10ヶ月くらいまでの期間、ばい菌や雑菌を排除して過度に清潔すぎる環境で育ててしまうのがいけないのです。なぜなら、この「生まれてから生後10ヶ月までの期間」は、腸内において腸内フローラが形成される重要な時期だからです。実は、この時期においてどれだけ多くの菌と接触したかが、その子がアレルギーになるかならないかを決定していると言ってもいいのです。そもそも、赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる間は完全な無菌状態で育ちます。それが分娩時に産道を通る際に膣内の菌に初めて接触し、この世に生まれ落ちてからは、自分を取り巻くさまざまな種類の大量の菌に接触していくことになります。最初、赤ちゃんの腸内では、母乳やミルクを飲むことにより、善玉菌のビフィズス菌やラクトバチルス菌が一気に増加します。さらに、ハイハイをするくらいの時期になると、その辺にあるものを手当たり次第にペロペロと舐めるようになって、周囲の菌をどんどん腸内に取り入れるようになります。免疫が未発達の赤ちゃんが雑菌だらけの世で生き延びていくには、できるだけ多くの菌を取り入れて免疫を高めていく必要があります。そのために赤ちゃんは、本能的に自分の周囲のものを手当たり次第に舐め、いろいろな菌を入れて免疫を高めようとしているわけです。私たちの身の回りに偏在する菌のなかにはいい働きををするものもいれば、少しだけ悪い働きをする「ちょい悪菌」もいます。でも、いい菌も悪い菌も含めて、赤ちゃんのときにできるだけ多様な種類の菌を取り入れるほうが、丈夫で免疫力の高い腸内フローラの形成につながるのです。赤ちゃんの腸内フローラが完成するのは生後10ヶ月頃です。このころになると、腸内における腸内細菌の勢力分布があらかた決定します。そして、人はこのときに決まった腸内フローラの組成バランスを一生涯持ち続けていくことになるのです。