運動と活性酸素

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。みなさんも、活性酸素が体に害を及ぼす危険が大きいものであることはよくご存知のことと思います。前回、筋肉を会社の敷地、ミトコンドリアを工場、毛細血管を酸素のパイプラインにたとえましたが、活性酸素は工場においてエネルギーをつくる際にどうしても発生してしまう廃水やスモッグのようなものです。この汚れた廃水やスモッグがあまりにも多くなってくると、細胞の力が弱ってきてさまざまな弊害をもたらすことになるわけです。つまり、筋細胞が酸素を使ってエネルギーを生み出し続けている以上、その代償として活性酸素ができてしまうのは仕方のないことです。また、運動をする際には多くのエネルギーが必要となります。かなり激しい運動でもしようものなら、たくさんの酸素を取り入れてたくさんのエネルギーをつくることになりますから、それだけ多くの活性酸素が生まれてしまうことになるでしょう。ですから、運動によって一定量の活性酸素が生じてしまうのは、避けられない宿命のようなものと言えるのです。活性酸素が増えてくると、体の細胞が酸化され、肌を衰えさせたり動脈硬化を進ませたりといったさまざまな老化現象が促進するとされています。また、活性酸素の増加により、ガンの発症率も高まるとされています。こうした影響を重く見る研究者のなかには、多くの活性酸素を生む要因となる運動行為に警鐘を鳴らしている人もいます。では、活性酸素が増えるから、運動はやらないほうがいいのでしょうか。答えはNoです。しかも明らかな間違いです。日頃の運動や活動の強度と活性酸素発生量の関係を調べたところ、普段運動をしていない活動度の低い人のほうが活性酸素発生量が多いことがわかりました。つまり、活性酸素発生率は「(適度な)運動をしている人」よりも「運動をしていない人」のほうが高いのです。ここで注意したいのは、大量の酸素を取り入れる激しい運動に関してはやはり気をつける必要があるということです。あまりやりすぎず、適度な運動を習慣的に行っている分には、活性酸素に関してはまったく気にする必要がないわけです。