寝たきり老人にならないために

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。みなさんは「サルコペニア」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ラテン語の「サルコ=筋肉」と「ぺニア=減少」が組み合わさった言葉で、筋肉量が減少してしまう状態のことです。私たちの筋肉は20代以降、1年に約1%の割合で減っていきます。サルコペニアは、これが過度に進んでしまう現象を指します。サルコペニアは、とりわけ高齢者に進みやすい傾向があります。筋肉の減少速度は70歳くらいまでは年1%くらいのペースで進むのですが、75歳前後から落ち方が急になり、筋肉量を大きく低下させてしまうことが多いのです。高齢者の場合、サルコペニアによる筋力低下から転倒骨折をしてしまい、それが寝たきりの原因となってしまうことも少なくありません。また、筋力が低下すると、歩いたり体を支えたりといった基本的な生活機能がガクンと落ちてきます。すると、ちょっとした作業を行っても大きな疲労感を感じるようになり、それが面倒で家事をしたり外に出て何かをしたりする意欲をだんだん失ってしまいます。そして、普段の生活で体を動かさずにいると、さらに筋肉量が減ってしまい、いっそう動くのが嫌になってしまうことになります。こうした悪いサイクルが何年も積り積もって体が動かなくなっていき、多くの「寝たきり老人」をつくっていくことになるわけです。ですから、高齢者の方々は普段から筋量アップに努め、サルコペニアを進ませないようにしなくてはなりません。では、どれくらい筋肉が減るとサルコペニアに該当するのかというと、1万403人の方の筋肉率のデータを元に基準値が作成されています。この基準では体組成計で測定したときの筋肉率が男性で27.3%未満、女性で22.0%未満の場合をサルコペニアとしています。ゆくゆく寝たきりになりたくないのであれば、早いうちからサルコペニア対策を視野に入れた運動(筋トレ+有酸素運動)を生活に取り入れるのが必須です。とくに60歳を過ぎたならば、筋肉を増やしておくことは「寝たきり防止のために最低限やっておかなくてはならない努め」だと考えるべきでしょう。