体を動かすほど幸福を感じる

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。仕事が忙しい時期ほど、たまの休みにはゴロゴロして過ごす人は多いのではないでしょうか。気のすむまで布団から出ず、起きた後も本を読んだり、DVDを見たりしながらのんびり休日を楽しむ…。一見すると、くつろいで気持ちがリラックスしそうですが、実は長い目で見ると、精神的にプラスとはいえないようです。カナダ公衆衛生庁の研究者らは、カナダ国民を対象に身体活動と幸福との関係についての調査を行い、2012年に結果を発表しました。それによると、初期の調査で「余暇にはあまり体を動かしていない」と答えた人たちは、その2年後のフォロー調査の段階で「自分は不幸である」と感じるようになっている割合が多くなったといいます。比較的体をよく動かしている人に比べ約1.5倍の人が、幸福度が落ちていると感じていたのです。ちなみに、初期の調査で体をあまり動かしていないと答えた人のうち、2年後の調査の時点では体をよく動かすようになっていた人の場合、幸福度の低下は約3分の1に抑えられることもわかっています。この調査から見えてくるのは、「体をよく動かす人ほど、幸福度が高い傾向がある」ということです。もう1つ、視点を変えた実験を紹介します。日立製作所中央研究所の研究チームは、人の体にセンサーを装着し、そこから得られる膨大なデータを分析してきました。ある時彼らは、身体の揺れと向きを検出する加速度センサーを装着させた実験参加者を2つのグループに分けました。そして、Aグループにはその週に経験した3つのことを条件を付けずに書き記してもらい、Bグループにはその週に経験した3つの「よかったこと」を記してもらいました。それを5週にわたって繰り返しつつ、並行して質問紙による幸福度調査も行いました。その結果、「よかったこと」を書き記したBグループのほうが明らかに幸福度が高まったことがわかりました。そして、センサーを分析した結果、「幸福度が高まるほどよく動くようになる」という事実も明らかになったのです。これらの結果からいえるのは、身体活動と幸福度が相互に作用しているということです。幸福度が高いと体をよく動かすようになり、そのままアクティブに過ごすことで幸福度が高いまま維持されていきます。体を動かすことがストレス解消になることは知られていますが、それだけではなく、幸福もまた引き寄せてくれるのです。休みの日こそ、体を動かして幸せになるチャンスととらえ、積極的に行動してみてはどうでしょう。