見た目が若いと寿命も長い

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。同じ年齢であっても、若々しく見える人と、老けて見える人がいます。中高年になってくると、多くの人は若く見られるほうが喜ばしく感じるようになるものですが、実はそれはたんに容姿の話だけにとどまりません。この先の人生にとっても、大いに喜ばしいことであるといえます。なぜなら、見た目が若い人のほうが、将来もより長生きすることが多いからです。「20歳の顔は自然の贈り物。50歳の顔はあなたの功績」とは、世界的ファッションデザイナー、ココ・シャネルの言葉です。彼女の優れた審美眼は、人の生活や健康状態が容姿に反映されていくことまでも的確に見抜いています。「見た目など、遺伝的に決まっているものではないか」と思う人もいるかもしれませんが、そうではありません。ココ・シャネルのいうように、歳を経るほどに自らの生活態度が見た目に現れることは、統計学的に示されています。2009年、英国の医学誌「BMJ」に発表された、見た目年齢に関する研究があります。その調査では、70歳以上の一卵性双生児913組の顔写真を用意し、それを41人の第三者に見せて「見た目年齢」を判定してもらいました。そしてその後、双子の生存期間を追跡調査していった結果、遺伝子がまったく同じはずなのに、若く判定された人の方が明らかに長生きだったのです。見た目が老けているということはすなわち、老化が進んでいるということに他なりません。同じ年齢、同じ遺伝子であるなら、老化が早いほうが先に亡くなってしまうのは道理です。では、そもそも老化とは、どのように進行するものなのでしょうか。抗加齢医学の世界では、老化には「自然な老化」と「病的な老化」の2つがあり、それらが一緒になって人が老けていくと考えます。生理的老化というのは、日々の生命の営みにより進行するものであり、それを防ぐことは叶いません。しかし病的な老化に関していえば、すべての人に平等に訪れるものではなく、人によってその程度が違います。そしてこの病的な老化こそが、見た目の若さを大きく左右する要因になっているといえます。病的な老化は健康に悪い生活習慣を積み重ねるほど進行が早まります。例えば喫煙は、活性酸素をはじめとした体に悪影響を及ぼす物質を大量に発生させますが、それが習慣化するとダメージが蓄積し、寿命に影響が出るだけでなく、病的な老化のスピードも早め、見た目が明らかに老けてしまいます。