「共感性」が心を癒す

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。酒席などでグチをこぼす行為は、一般的にあまり歓迎されません。しかし、ストレス解消という意味ではけっこう有効なのです。例えば、気心の知れた友人に「会社の上司にこんなことを言われた」「がんばっているのに評価してもらえない」などと話したとします。聞かされる側はともかく、話す側は感情を吐き出したため、多少はすっきりします。四六時中ではさすがに嫌われるでしょうが、「お互いにグチを言い合えるような関係」をつくっておくことも悪くありません。そもそもなぜ、私たちはグチをこぼしたくなるのでしょうか。それは、人に共感してもらいたいからでしょう。話を聞いてもらい、同情を得られれば、怒りや悲しみも多少は収まります。もちろんお酒の席でなくてもかまわないので、できるだけそういう機会や相手を見つけたほうがいいと思います。一人だけで抱え込む必要はないのです。しかし世の中には、「誰に対してもグチ1つこぼさない」「仕事の話を家庭に持ち込まない」という方も多いと思います。弱音を吐くことは恥ずかしいとかみっともないとか、相手に迷惑というイメージがあるためでしょう。これはある意味で、すばらしい美徳だと思います。たしかにコミュニケーションには、「感情伝播」という作用があります。人間は共感性の生き物なので、相手が楽しそうにしていれば自分も楽しくなるし、逆に相手がイライラしていれば自分もイライラしてきます。こういう経験は誰にでもあるでしょう。だからネガティブな話を打ち明けないというのは、相手や周囲を気遣うということでもあります。とはいえ、溜め込むことによるストレスを考えれば、吐き出せるときには吐き出したほうがいいです。グチを言い合えるような関係性を築くことが大事だと思います。これはお互いに、解決策を求めているわけではありません。「それは大変だね」「言うとおりだね」と言い合えれば、それで十分ではないでしょうか。