そもそも認知症とは

お読みいただき、ありがとうございます。本八幡 風の整体院 岩田です。今や、認知症の高齢者の数は全国で460万人とされています。厚生労働省の推計によれば、高齢化の進展にともない、8年後の2025年には、約700万人に達するとしています。65歳以上の高齢者の5人に1人という、とほうもない割合です。では、そもそも認知症とは、どんな症状なのでしょうか。認知症は、認知機能が低下して日常生活に支障をきたす病気です。加齢による脳の萎縮とは別に考えたほうがよいでしょう。「高齢だから、かかっても仕方がない」というものではありません。認知症には、大きく分けて3つのタイプがあります。1つ目は「脳血管性認知症」です。脳梗塞や脳出血などによって脳の血管に障害が生じ、そこから発症するものです。2つ目は「レビー小体型認知症」です。レビー小体という小さなタンパク質が、神経細胞の中に溜まることで発症します。そして3つ目が「アルツハイマー型認知症」です。「アミロイドβタンパク」や「タウタンパク」という異常なタンパク質のゴミが脳に蓄積することにより、神経細胞にダメージを与えて発症します。認知症の約半数はこのタイプです。このうち「アルツハイマー型」の場合、やはり脳が委縮していくわけですが、加齢による萎縮とはスピードが違います。1年あたりの脳の減少量は、ごく初期でも健常者の約2倍になります。高齢になれば、そのスピードはさらに増すと言われています。症状としては、初期段階ではもの忘れが激しくなります。日にちや曜日がわからなくなったり、ご飯を食べたこと自体を忘れたり、外出先から自宅へ帰れなくなったりします。この症状が半年以上続くと「認知症」と診断されるのです。ただこの段階では、本人も自分の異変に気づいています。さらに進行すると、数十年単位で記憶が失われます。若かったころの意識に戻り、たとえば自分の孫を自分の子どもと錯覚したりするわけです。また、ハシなどを使ったり、歩いたりすることに支障を来すようになります。そして後期段階になると、思考力や判断力のような認知機能が失われ、会話や食事も難しくなります。ただし当然ながら、早期発見・早期治療に努めれば、症状の増悪を抑えることは可能です。あきらめる必要はまったくありません。