「叱る」と「怒る」、それぞれの状態

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。「叱り上手は育て上手」という言葉があります。ここでは、こちらが叱る側になるときのことを考えましょう。下手な叱り方をすると、叱られている側はもちろん、こちらのバランスも大きく乱れます。これは実感として多くの方がお持ちだと思います。相手が部下でも、子供でも事情は同じです。上手に叱れば相手は素直に納得するけれど、感情的になって叱るとまるで聞く耳を持たなくなって「逆ギレ」します。では、「上手な叱り方」とはどういうものでしょう。端的に言えば「『叱る』と『怒る』を混同しない」ということになるのではないでしょうか。良くないのは、最初のうちは冷静に叱っていても、相手に押し黙られたり口答えされたりするうちに、叱っている方がだんだん激してしまい、最後は完全に感情的になってしまう、というケースです。こうなると叱られている方も人間ですから、よほど素直な人でないかぎり、聞く耳を持たなくなってしまいます。このとき両者とも、交感神経が極度に上がり、呼吸は極めて浅くなっています。自律神経の状態は「伝染」しますから、お互いに最悪のバランスを伝え合い、さらに負のスパイラルとなって、なんら生産的な結末を期待できなくなってしまいます。一方、叱り上手な人は、感情的になって激さないように意識しています。怒りの感情をぶつけるのではなく、冷静に、相手の言い分も聞きながら話す。これは自律神経のバランスが、先ほどのパターンよりもはるかに安定した状態です。これが伝染し、相手も比較的素直に聞く耳を持てるようになります。