肩こり・五十肩も筋肉の衰えに関連する

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。肩の不調といえば、なんといっても肩こりでしょう。2010年国民生活基礎調査では、自覚症状のある病気やケガで男性では第二位、女性では第一位にあげられています。また、「特にケガをしたわけではないのに肩から腕にかけて痛みがある」、「腕が肩より上にあがらない」といった症状の五十肩もよくある悩みです。ある日突然に症状を感じることもあるようですが、初めは肩を動かすときに痛むだけで、症状が進むと、動かさなくても肩がうずくように痛み、思うように腕があがらなくなることが多いようです。肩こりの原因は、肩や首の付け根の筋肉の疲労とされていて、肩こりがひどくなるのは、これらの部分の筋肉の衰えが関係すると考えられます。具体的には首の後ろ側にある僧帽筋脊柱起立筋など体幹の筋肉です。僧帽筋は「肩をすくめる」、「腕を頭上にあげる」など、肩甲骨の動きに関係する筋肉ですが、「立っているときに頭や腕を支える」という役割もあります。普段はあまり意識していませんが、頭や腕にも重さがあるので、ただ立っているだけでも、僧帽筋はそれらの重さを支えていることになります。同じ姿勢をとり続けた結果、局所的に疲労がたまり、肩こりにつながるものと考えられています。また、体幹の筋力が衰えて姿勢が悪くなったときには、通常は脊柱の真上に乗っているはずの頭が前に出てしまうことが多く、僧帽筋にかかる負荷がさらに大きくなり、肩こりを起こしやすくなるようです。一方五十肩は、原因は完全には解明されていませんが、肩関節周辺の靭帯などの炎症によって起こるものとされています。中高年になってから発症することが多いことを考えると、やはり僧帽筋などの肩周辺の筋肉の加齢による衰えが、その炎症を引き起こす要因である可能性は低くはありません。肩こりと五十肩は別の不調ですが、自分でできる対策や予防法は共通していて、肩回しなどで肩周辺の筋肉を鍛えることが基本です。また、僧帽筋や脊柱起立筋は幅広く分布している筋肉なので、肩の関節だけを意識するのではなく、肩甲骨も含めて「広い範囲が肩である」という認識を持つのがポイントです。トレーニングやストレッチ、さらには日常の動作でも、肩だけを動かすのではなく、肩甲骨を動かすように心がけましょう。