筋肉は加齢とともに減少する

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。健康寿命のカギは筋肉にあります。「健康を維持するためには筋肉が大切」ということが認識されるようになったのはきわめて最近の話です。1990年代の前半くらいまでは、注目すべきは心臓や血管であり、筋肉は軽視されていました。それが、1990年代の後半あたりから筋肉についてのさまざまな研究が発表されて、筋肉の重要性が広く認識されるようになってきたのです。筋肉と健康を語るうえで、欠かすことができないのが、筋肉は加齢とともに減少するという事実です。筋肉が減ってしまうことによって、若かった頃にはなんでもなかったことが大きな問題へとつながるようになります。では、筋肉は、どのように減少していくのでしょうか。まず、部位について。一言で筋肉といっても、人間にはいろいろな筋肉があります。「歩く」、「走る」、「腕をあげる」といった骨格を動かす筋肉を骨格筋といいますが、その数がおよそ400あります。それに心臓を動かす心筋などの筋肉を足すと、全体でおよそ600の筋肉があります。そのなかで、加齢とともにすべての筋肉が同じように減少していくというわけではなく、とくに減少しやすい筋肉があります。その代表格が体を支える足腰の筋肉です。なかでも研究データとして報告件数が一番多いのが太ももの全面にある大腿四頭筋という筋肉です。その他にもお腹まわりの腹直筋や外腹斜筋、腰周辺の体の内側にある大腰筋という筋肉が加齢の影響を強く受けるというデータがあります。丈夫な足腰は活動的な生活を送るためにとても重要ですが、その足腰の筋肉がほかの部位よりも衰えやすいというのは、なんとも困った問題です。次に減少していくペースについて。一般的には1年間に0.5~1%の割合で落ちていくといわれており、30~80代にかけての50年間で全体の筋肉の量は60~70%ぐらいになります。影響を受けやすい足腰にいたっては約半分にまで減少してしまうのです。注意してほしいのは、30歳から40歳頃までは比較的ゆっくりと減少していきますが、40歳を過ぎた頃から一直線に落ちていくことです。筋肉の減少が加速していくのです。このあたりの年齢の方が、体の衰えを感じやすいのはそれなりの理由があるというというわけです。