運動は体も脳も元気にする

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。筋肉は鍛えるほどに太くなり、強度も上がります。反対に使わずにいると、筋肉はやせ衰えます。骨折などによる入院生活を1ヶ月も送ると、全く使用されない筋肉は1日に3~5%ずつ筋力が低下し、高齢者のほとんどは寝たきり状態になり、歩けなくなってしまいます。寝たきりになると、運動不足で体が衰えるばかりでなく、脳に伝達される刺激までもが非常に少なくなるため、認知症を進行させることにもなります。アメリカでは、オレゴン健康科学大学のJ・キャメロン教授が、「運動をすることによって、血液の循環が良くなり、酸素や糖分などのエネルギーが十分に供給されることで脳が活性化するため、認知症を防ぐことができる」としています。カリフォルニア大学アーバイン校、脳加齢・認知症研究所のポール・A・アドラード博士のグループは、運動と病状の関係を検証しました。遺伝子操作でアルツハイマー型認知症状態のマウスをつくり、回転車の有無でケージを分けて飼育しながら実験を行いました。回転車を与えられたマウスは、与えられなかったマウスに比べ、迷路から抜け出る時間も早く、認知症の進行が遅いことが判明しました。運動と病状の関係は人間にも当てはまるだろうとしています。また、ニューヨーク大学のアントニオ・コンビット博士は、「ダンベルなど重量を負荷する運動をすると、脳の記憶中枢である海馬付近の血流が良くなり、その機能が促進されて記憶力が増す」と述べています。これは、筋肉運動により血糖の調整が行われることで、海馬が委縮せずに脳の老化が防げるというものです。加齢とともに筋肉は萎縮していきますが、いつからでも鍛えることが可能です。90歳になっても、トレーニングによって筋肉量の増加が期待できることがわかっています。健やかで元気でいるために、筋肉運動を継続していきましょう。