筋肉が血液のポンプになる

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。心臓は常に弛緩と収縮をくり返して、全身に血液を送り出しています。しかし、体の隅々に血液を行き渡らせるには、心臓の働きだけでは不十分です。人体の血液の70%は、下半身に集まっています。血液を心臓より下、特に脚に送ると、重力に逆らって心臓まで戻さなければなりません。心臓に血液を戻す血管(静脈)は筋肉の層が薄く、自力で血液を押し出す力がありません。血液を心臓に押し戻し、心臓の助けとなっているのが筋肉です。特に「脚は第二の心臓」と呼ばれ、太ももやふくらはぎなどの脚にある筋肉は重要な働きをします。運動をすることによって、脚の筋肉が収縮と弛緩をくり返します。それと同時に筋肉が静脈を圧迫して、血液を心臓に送り返す圧力を生んでいるのです。この動作は、乳しぼりに似ていることから「ミルキングアクション」と呼ばれます。血液の循環を活発にし、全身に行き渡った血液を心臓に戻すためには、このミルキングアクションがしっかりと機能していなければなりません。よって、下半身の筋肉量が減少してミルキングアクションが少なくなると、下半身の血流が悪くなり血液が下半身に滞ります。その結果、下半身のむくみや静脈瘤などの不快な症状が起きてくるのです。長時間立ち続けたり乗り物に乗り続けたりすると、脚がむくんでだるくなるのは、脚を動かさないことで血液が滞るからです。