脳は30歳から老いる

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。人間は成熟期以降、加齢とともに老化していきます。老化のスピードは全ての人が同じではなく、個人差があります。例えば、人間の脳は30歳を過ぎると脳細胞が徐々に失われるとされます。年をとって、記憶力が低下したことを自覚する人も多いのではないでしょうか。アメリカで、運動習慣のある人とない人の脳のMRI画像を比較した研究があります。ウォ―キングや水泳などの有酸素運動をしている人に比べて、運動していない人たちの脳は萎縮、つまり老化の程度が激しいという結果になったのです。日本の最近の研究では、脳を鍛えるトレーニングなどで有名な東北大学の川島隆太教授(脳科学)と、大阪ガスの共同チームが「料理することは脳の働きをよくする」ということを科学的に実証しました。よく料理をする35~55歳の女性15人を対象に、調理中の脳の働きを調べました。献立を考える、材料を切る、炒める、盛り付けるなどの作業をしたところ、いずれのプロセスでも判断力や計画力など、人間の知的活動を司る大脳の「前頭前野」が活発に働いていたことが確認されました。「手は第二の脳である」とは、18世紀ドイツの哲学者・カントの言葉です。昔から「手は脳と直結している」「手は脳のアンテナ」ともいい、手先を動かすことで、脳に刺激が与えられ、血流量が増えて脳が元気になるといわれています。このようなことから、手先を多く使う人は元気で長生きするといわれています。画家、音楽家、作家、工芸家を筆頭とした手を動かす職業や、細かい手仕事に熟練した職人などに長生きする人が多いのは、手から脳への刺激が絶えず行われているからでしょう。