なぜ眠らないといけないのか?

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。実は、睡眠のメカニズムは完全には解明されていません。ただ、睡眠という現象は脳がある程度発達した高等生物に特有で、脳が未発達の下等生物には見られません。こうした事実を踏まえて、睡眠は「大脳を定期的に休息させるシステム」と考えられています。莫大な情報が集まる大脳は、多量のエネルギーを消費しながら瞬時にその情報を処理するいわばメインコンピューターです。しかし、その状態が休みなく続けば何らかの不具合が生じてしまいます。そこで定期的に大脳が休養をとるのです。これが「なぜ眠るのか」に対する答えです。とはいえ、大脳が自らの意思で睡眠や覚醒を行うわけではありません。間脳や中脳、延髄などがある脳幹が、大脳に眠るよう指示を出しているのです。このことから脳幹は「眠らせる脳」、大脳は「眠る脳」とも呼ばれています。また、睡眠中は脳だけでなく体も当然休息をとります。睡眠のサイクルは、大脳も体も眠っているノンレム睡眠と、大脳が起きているレム睡眠を交互にくりかえしています。ノンレム期は過熱した大脳を休ませるために体温や呼吸数、心臓の拍動数が低下します。一方、レム期には体の筋肉は完全に弛緩して休息状態にありますが、脳は活性化されています。