血液型が変わる?

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。骨髄の移植手術を受けたとき、血液型が変わることがあります。骨髄は硬い骨の内側にあるゼリー状の組織で、血液を作る役割を担います。骨髄の主な成分である骨髄液には造血幹細胞があり、これが分裂・増殖する過程で赤血球や白血球、血小板に分化していくのです。この分化がうまくいかずに白血球が増殖し続けるのが「白血病」で赤血球、白血病、血小板ともに減少するのが「再生不良性貧血」です。いずれも完治するのが難しい病気です。このような血液の病気を治療するために行われるのが骨髄移植です。健康な人の骨髄から骨髄液と造血幹細胞を取り出して、患者に移植する方法です。骨髄移植で重要なのはHLA(ヒト白血球抗原)という組織結合抗原です。抗原が違うHLAを移植すると強い拒絶反応が出るため、骨髄移植はドナーとレシピエント(受容者)のHLAの型が一致しないと行えません。HLAの型の種類は非常に多く、適合するドナーを見つけるのは困難を伴います。ただし、HLAさえ適合すればABO型を決める赤血球の血液型が一致する必要はないのです。そのため、骨髄の移植手術でB型のドナーの骨髄をO型のレシピエントに移植したところ、血液型がB型に変わるということもありうるのです。