肝臓が「沈黙の臓器」と呼ばれる理由

お読みいただき、ありがとうございます。風の整体院 岩田です。肝臓は肝硬変や肝臓ガンになろうとも声を上げず、肝臓自体が死ぬまで黙々と働き続けることから「沈黙の臓器」と呼ばれています。肝臓は人体の化学工場でもあります。脳に並ぶ体内重量を誇る肝臓は、約2500億個の肝細胞からなり、主に4つの機能を果たします。1つは、代謝機能です。ブドウ糖を分解し、グリコーゲンの形で貯蔵します。血液中のブドウ糖が不足した場合、このグリコーゲンがブドウ糖に変えられて血液に送り込まれます。そのほか、タンパク質や脂質、ビタミンの合成、分解も行います。2つ目は、解毒機能です。アルコールやニコチン、薬物、細菌まで、人体に害を与える毒をすべて分解して無害化し、胆汁内に排泄しやすい形に変えます。3つ目は、胆汁の製造です。古くなった赤血球のヘモグロビンを分解し、それをもとに胆汁の主成分を合成します。この過程で出てきた鉄を、新しい赤血球の材料にします。4つ目は、自己補修機能です。肝臓では体に有害な危険物を処理するため、肝細胞がどんどん死んでいきます。これを補うべく、自ら新たな細胞を作り出すのです。ちなみに、肝臓の再生能力は驚くほど強く、手術でその80%を切除しても、みるみるもとの大きさに戻るといいます。